新しいAIを試すとき、
最初に「何ができるの?」と、
AI本人に聞いていませんか。
返ってきた答えを読んで、
こんな所で迷うことがあります。
- AIの説明を、どこまで信じていいか分からない。
- 「最新の情報も調べられます」と言われても、本当か分からない。
- 試用版のAIに、何を入れてよいか分からない。
先に、分かったことをまとめます。
- 国産AI「Sarashina」に「何ができる?」などと聞くと、
ウェブを検索できる、と答えました。
一方で、検索結果も2025年9月時点まで、とも答えました。 - ウェブ検索は、公式の発表に機能として書かれています。
「知識は2025年9月まで」は、公式には見当たりませんでした。 - 無償ベータ版では、入力と回答がAIの学習(AIを良くするための材料)に
使われることがあり学習を止める方法がありません。
個人が分かる情報は、利用規約で入力が禁止されています。 - 私の場合、チャット型で、
モデル(AIの種類)やエフォート(考える深さ)を選ぶ所はなく、
回答は早く感じました。
この記事で分かること
- Sarashinaの基本と、使える人の条件
- AIの自己紹介を、公式と並べる3つの分け方
- 使う前に見ておく、利用規約の3つ
- 自分で確かめる手順と、記録の表
2026年10月18日時点の、公式の発表と利用規約による内容です。
仕組みや画面は、変わることがあります。
3つの分け方を先に知りたい方は、
「AIの自己紹介を、公式と並べる3つの分け方」の節から読めます。
自分で確かめる手順は、
「自分で確かめる手順」の節にあります。
Sarashinaとは(2026年10月13日に無償ベータ版を公開)
日本語に力を入れた国産のAIを、チャットで試せる
Sarashina(サラシナ)は、
ソフトバンクの子会社「SB Intuitions」が、
日本語のデータに力を入れて作っているAIです。
2026年10月13日に、
事前の申し込みなしで試せる「無償ベータ版」が公開されました。
無償ベータ版は、完成前の版を、
お金をかけずに試しに使ってもらう段階のことです。
公式の発表に書かれている、基本の情報です。
- ウェブ上で、AIとの対話と、日本語⇔英語の翻訳を試せる。
- Googleアカウントでログインして使う。
事前の申し込みは要らない。 - 利用料金はかからない。
ただし、一定時間あたりの回数に制限がある。 - 無償ベータ版の終わる時期は、決まっていない。
- 開発者が自分のアプリからAIを使うための仕組み(API)もあり、
6つのモデルを使える。
APIは、開発者向けの仕組みです。
この記事では、チャットだけを扱います。
使える人の条件(利用規約)
公式の発表には、
「生成AIを試したい個人も利用できます」とあります。
使える人の条件は、利用規約の第3条に書かれています。
- 日本に住んでいる個人、または日本に本店がある会社。
- 18歳未満の人は、親などの同意を得ていることが条件。
公式に書かれていないこと
10月18日時点の公式の発表・公式サイト・開発者向けの説明ページには、
次のことが見当たりませんでした。
- チャットで使われているモデルの名前と、選べるかどうか。
- AIの知識が、いつの時点までのものか(くわしくは後の節で)。
- チャットで、何回まで使えるか。
名前の似た、法人向けの「Sarashina API」という、
ソフトバンクのサービスもあります。
この記事で扱うのは、SB Intuitionsの、
sarashina.aiの無償ベータ版です。
私の場合:チャット型で、モデルは選べず、回答が早かった
「チャット型です」
Sarashinaは、チャット型でした。
入力欄に文を書いて、答えを受け取る形です。
「モデルとエフォートの選択はありません」
ほかのAIのチャットには、
モデル(AIの種類)や、
エフォート(どれだけ考えるか)を、
選べるものがあります。
私が使った画面では、
どちらも選ぶ所はありませんでした。
公式には、開発者向けのAPIで使える、
6つのモデルが書かれています。
チャットがどれを使っているかは、
公式には書かれていません。
「回答が早い」
回答は、早く感じました。
これは、私の感想です。
「何ができる?」などと聞いてみた
次の3つを聞きました。
- 何ができますか。
- 得意なことは何ですか。
- リサーチは得意ですか。
答えの中には、
次の3つの説明がありました。
- 最新の情報が必要なときは、リアルタイムでウェブを検索できる。
- 知識は、2025年9月までのものが基になっている。
- 検索結果も「2025年9月時点までの情報に基づいています」。
1つ目と2つ目は、
食い違うとは限りません。
AIの知識は学んだ時点までで、
新しいことは検索で補う、という作りもあるからです。
ただ、1つ目と3つ目は、同じ答えの中で、
私には、食い違っているように読めました。
ここに書いたのは、私が使ったときの答えです。
同じ質問をしても、
同じ答えになるとは限りません。
検索が実際にどう働くかは、
この記事では確かめていません。
AIの自己紹介を、公式と並べる3つの分け方
AIの答えが正しいかを、
AI本人にもう一度聞いても、
確かめたことにはなりません。
公式の発表や利用規約に、
同じことが書いてあるかを探します。
Sarashinaの自己紹介を、
公式の発表と並べると、次の3つに分かれます。
1と2は、AIの説明を公式と比べた分け方です。
3は、AIの説明どうしを比べた分け方で、
公式と食い違っていたわけではありません。
| AIの自己紹介 | 公式(10月18日時点) | 分け方 |
|---|---|---|
| リアルタイムでウェブを検索できる | 公式の発表の機能の表に、「AIとの対話によるウェブ検索や文章作成など」とある | 1. 公式と合っている(検索の機能があること) |
| 知識は2025年9月までのもの | 公式の発表・公式サイト・開発者向けの説明ページに、記載が見当たらない | 2. 公式では確かめられない(未確認) |
| 検索結果も2025年9月時点まで | 検索結果の時点についての記載は見当たらない | 3. AIの説明どうしが食い違う(私の読み方) |
1. 公式と合っている:ウェブ検索の機能
SB Intuitionsの公式の発表には、
チャットでできることとして、
ウェブ検索が挙げられています。
検索の機能があることは、
AIの自己紹介と合っていました。
ただ、公式の発表には、
「リアルタイム」とまでは書かれていません。
また、「ウェブ検索ができる」と、
「毎回、新しい情報を調べて答える」は、
同じではありません。
最新の話題は、日付の入った公式の発表で、
自分の目で確かめます。
2. 公式では確かめられない:知識の時点
「2025年9月まで」という知識の時点は、
公式の発表にも、公式サイトにも、
開発者向けの説明ページにも、
見当たりませんでした。
公式に書かれていないことは、
「正しい」とも「間違い」とも決めず、
「未確認」として置いておきます。
3. AIの説明どうしが食い違う所は、AIに聞き直さない
AIに「どっちが本当?」と聞くと、
また別の答えが返ってくるかもしれません。
食い違いを見つけたら、AIではなく、
公式の発表や利用規約で確かめます。
公式に書かれていなければ、
「未確認」のまま置いておきます。
Sarashinaの利用規約の第25条第2項には、
サービスで得た情報の正確さなどを、
会社は保証しない、と書かれています。
AIの答えは、自己紹介も含めて、
確かめてから使います。
AIの最初の説明と、実際の出来が違った体験は、
ChatGPTのチェックリストの記事にも書いています。
使う前に見ておく、利用規約の3つ
ログインの前の画面には、ログインすると、
利用規約とプライバシーポリシーに同意したものとみなす、
という意味の文があります(10月18日時点)。
利用規約の第1条にも、
サービスを使い始めた時点で、
規約に同意したものとみなす、と書かれています。
ですから、ログインの前に、
利用規約で次の3つを見ておくと、
自分で決めやすくなります。
| 見ておくこと | 利用規約(10月18日時点) |
|---|---|
| 入力と回答の使われ方 | 有料・無料にかかわらず、AIの学習などに使われることがある(第11条第2項)。 学習を止める設定ができるのは、有料のプランだけ(第11条第3項) |
| 入れてはいけない情報 | 特定の個人が分かる情報など(第10条第1項第15号) |
| 答えの使い方 | 医学・法律・金融などの専門分野の助言として、回答を使うのは禁止(第10条第1項第16号) |
1. 入力と回答は、学習に使われることがある
利用規約では、入力した文とAIの回答を、
会社がAIの学習(AIを良くするための材料)などに、
使えることになっています。
学習を止める設定ができるのは、有料のプランだけです。
10月18日時点の公式サイトには、
有料のプランの案内は見当たりませんでした。
ですから、今の無償ベータ版では、
学習を止める方法がありません。
有料のプランで止めた場合も、
それより前に学習に使われた分を、
さかのぼって消す義務は会社にない、とされています(第11条第3項)。
2. 個人が分かる情報や、職場の情報は入れない
利用規約では、特定の個人が分かる情報の入力が、
禁止されています。
自分や家族、職場の人の名前、住まい、
連絡先などは入れません。
試すときは、自分で作った例文を使います。
個人の情報や、職場の未公開の情報は、含めません。
仕事の資料は、職場の決まりが先です。
文章から個人の情報を減らす考え方は、
こちらにまとめています。
派遣社員がAI文章サポートに個人情報を入れないための5つの置き換え
3. 専門分野の助言としては使わない
医学・法律・金融などの専門分野の助言として、
AIの回答を使うことは、
利用規約で禁止されています。
こうしたことは、公式の窓口や、
専門家に確かめます。
国の個人情報保護委員会も、
生成AIを使うときは、
利用規約やプライバシーポリシーを、
十分に確かめるよう呼びかけています。
同意の前に見る所を、公式の案内で確かめた、
LINEの記事もあります。
自分で確かめる手順:AIに聞いたあとの5つ
AIに「何ができる?」と聞くこと自体は、
悪いことではありません。
何を確かめればよいかの、手がかりになります。
聞いたあとに、次の順で確かめます。
- AIの答えを、次の3つに分けてメモする。
「できること」「いつ時点の情報か」
「条件(料金・回数・使える人)」 - 公式の発表・利用規約・公式サイトを開く。
Sarashinaなら、この記事の最後の出典から開けます。
ほかのAIは、公式サイトの下の方にある、
「利用規約」や「ヘルプ」から探せることが多いです。 - 同じことが書いてあるかを探す。
- 見つかれば「公式と合っている」、
無ければ「未確認」、
公式と違えば「公式と違う」と書く。
「公式と違う」は、今回のSarashinaでは出なかった分け方です。 - AIの説明どうしが食い違う所や、公式と違う所は、
AIに聞き直さず、公式の文を優先する。
記録は、次のような表にしておくと、
あとで見返しやすくなります。
Excelやスプレッドシートでも、同じ形で作れます。
| AIの説明 | 公式の記載 | 見た所 | 確かめた日 | 分け方 |
|---|---|---|---|---|
| ウェブを検索できる | 機能の表に「ウェブ検索」とある | SB Intuitionsの発表(2026年10月13日) | 2026/10/18 | 公式と合っている |
| 知識は2025年9月まで | 見当たらない | 公式の発表・公式サイト・開発者向けの説明ページ | 2026/10/18 | 未確認 |
| 検索結果も2025年9月時点まで | 見当たらない(1行目と食い違って読める) | 同上 | 2026/10/18 | AIの説明どうしが食い違う |
出典と確かめた日を、
Excelで分けて残す方法は、
ChatGPTの出典を確認する記事にまとめています。
よくある質問
- QQ1 お金はかかりますか?
- A
10月18日時点の公式の発表では、
無償ベータ版は利用料金がかからず、
一定時間あたりの回数に制限があります。
終わる時期は、決まっていません。
- QQ2 仕事の文章を入れてもいいですか?
- A
利用規約では、入力と回答が学習に使われることがあり、
今の無償ベータ版では止める方法がありません。
仕事の文章を入れるかは、職場の決まりが先です。
試すときは、自分で作った例文にします。
- QQ3 ほかのAIより良いですか?
- A
この記事では、ほかのAIと比べていません。
良い・悪いは決めていません。
使う目的と、利用規約の中身を見て、
自分で決めるのがよいと思います。
まとめ:今日は、AIの答えを1つだけ公式で確かめる
□ AIに「何ができる?」と聞いたら、答えをメモする
□ 公式の発表で、同じことが書いてあるかを探す
□ 書いていないことは「未確認」にしておく
□ AIの説明どうしが食い違う所は、AIに聞き直さず公式の文を優先する
□ ログインの前に、学習への利用と、入れてはいけない情報を規約で見る
今日できるのは、1つだけで十分です。
いつも使っているAIの答えから1つ選び、
そのAIの公式の案内に、同じことが書いてあるかを見ます。
結果は、記録の表に1行だけ書きます。
Sarashinaをまだ使っていないなら、
ログインの前に、利用規約の第11条(学習への利用)を、
読んでみるだけでも十分です。
試してみたくなったら、少しずつで大丈夫です。
使わない、と決めるのも、自分で選んだ答えです。
AIの提案をうのみにしない確認は、
Yahoo!天気の記事にもあります。
仕組みや画面は、変わることがあります。
最新の情報は、公式の発表と利用規約で確かめられます。
出典(2026年10月18日確認):
SB Intuitions プレスリリース「国産生成AI『Sarashina』を利用できる『Sarashinaサービス』の無償ベータ版を提供開始」(2026年10月13日)、
Sarashina 利用規約、
Sarashina 公式サイト、
Sarashina 開発者向けの説明ページ(モデル一覧)、
個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等について」(2023年6月2日)


